金属の特性と曲げ加工について

建築現場や車の加工をする際に、いろいろな形に曲がっている金属を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった金属は、もともと平らな金属に加工を施し、曲がった金属を生み出しています。曲がった金属には様々な活用方法があり、建築現場などでは欠かせないものとなっています。そこで、この記事では金属の曲げ加工について詳しく説明すると共に、そのプロセスやその用途を紹介します。

ぜひご一読ください。

曲げ加工とは?

金属の特性と曲げ加工について

曲げ加工とは、もともとまっすぐに加工された金属を折り曲げる加工の名称です。
紙類などを折り曲げることは容易にできますが、金属となると機械を使い、金属の特性を考慮しないと必要な角度に折り曲げることはできません。一見簡単そうに見える加工ですが、実は専門技術が必要な難しい加工です。

曲げ加工はほとんどが機械で施されるために、大量生産することが可能です。
しかし、金属を曲げる角度は人の手によって決めなければなりませんので、必ずしも全自動的に生産されているわけではありません。職人の手によって精密に作られているのです。

曲げ加工時に金属に起こる現象

上記では曲げ加工を施すことは簡単ではないと説明しました。
なぜなら、ただ金属を曲げるだけでは直角にはならないという問題があるからです。

金属を曲げるとき、金属の外側には伸びる力が、内側には縮む力が働きます。そのとき、曲げた金属の外側は伸びて素材の幅や厚みが減少し、内側は縮んで素材の幅や厚みが増加し、加工前後で素材が変形する現象が起きています。身近なもので例えると、腕を曲げるときに肘の外側は伸び、内側は縮んでしわが寄って縮んでしまうのと同じことが起こっています。

また、金属の素材には伸びた箇所では縮もうとする力が、縮んだ箇所では伸びようとする力が働き、平らに戻ろうとする特性があります。平らでまっすぐな金属を曲げるときには、金属の真ん中をプレスして折り曲げていきますが、直角に曲げ加工を行ったはずが、実際は90度の直角にならず、92度になるという現象が生じます。

そのため、曲げ加工には金属の特性などの専門知識が必要な難しい加工と言えます。

曲げ加工は専門の業者でしか加工してくれない

曲げ加工は専門の業者でなければ、加工をしてくれません。なぜなら、曲げ加工を施すには専用の機械や専門的な知識が必要になるからです。
そのため、曲げ加工を扱っている業者は、金属加工を専門としている会社が多い傾向にあります。
曲げ加工を施した金属が必要なのであれば、専門の業者を利用しましょう。

また、専門業者のなかでも曲げ加工を行う部品を1つ単位で加工してくれる業者もありますし、大量注文でしか請け負ってくれない業者も存在します。
事前に必要となる数量を確認したうえでご自身の用途にあった業者を選ぶようにしましょう。

曲げ加工を施した金属の用途は?

曲げ加工を施した金属はどんな用途があるのかを紹介します。主に、曲げ加工が施された金属の用途は以下の2つで使用されます。

  • 車に板金を施す際
  • 建物を建築する際

これらの2つの用途について、詳しく説明します。

車に板金を施す際

交通事故で車を大破させてしまったときや車が変形してしまったときには、車の修理が必要となります。
車は多くのパーツから出来上がっており、一つの箇所を修理するだけで多くの部品の交換が必要となることもあります。
車の修理を行う際、それぞれの部品を繋ぎあわせたり部品を固定したりするために、様々な形の曲げ加工を施された金属が使用されています。

建物を建築する際

建物を建築する際、建材を固定するための固定具が必要となります。建物の構造上、どうしても固定しなければならない箇所が出てきたりもします。
その場合、固定する場所に合わせた形に曲げ加工を加えた固定具を利用し、固定することになります。

その他に、建物の強度を増すために使用することもあります。例えば木箱を作る場合に、丈夫で潰れにくいものを作りたいのであれば、角を釘で打つだけではなく、内部を直角の金属で固定することで、より強度を増すことが出来ます。
同様に、建物を建築する場合にも、強度を増すために曲げ加工をした金属で固定する必要が出てくることもあります。

まとめ

曲げ加工は、修理する場合や車を修理する建物を建築する場合などに、必要な部品になります。曲げ加工を施してくれる業者は限られているので、予め曲げ加工に対応しているのか、確認しておくことが大切です。

株式会社アイ・バンでは、建物や板金に必要な金属加工を承っております。加工は一つの部品からでも承っておりますので、金属加工を施したいということであれば、お気軽に株式会社アイ・バンまでご相談ください。